「精進料理」は、日本の伝統的な料理形式の一つです。しかし「精進」という料理名は中国で名づけられたもので、本来の「精」の意味は「雑念にとらわれることなく修行に専念すること」、「進」の意味は「四六時中いかなるときも怠ることなく修行に専念する行為(体)」という意味です。つまり「精進」とは修行に専念することです。

広辞苑では、精進料理とは「精進物のみ用いた料理」と記されています。精進物とは、肉・魚介類を用いない植物性のことで、野菜類・穀類・海藻類・豆類・木の実・果実などのことです。つまり精進料理とは生臭物を使用しない料理のことです。さらに厳しいところでは、ニラ、ニンニク、葱、ラッキョウ、唐辛子など、刺激のあるのもは使いません。また卵も使いません。たんぱく質は大豆や胡麻などで摂り、甘みは果物でとり、ボリュームや満足感は植物油でとります。殺生の考え方から生臭物は食べなくなったという説もありますし、納められたお供え物を大切に食べていたところから、腐る肉や魚を食べない習慣になったともいわれています。

しかし広義にとらえると、精進料理とは、自分自身を厳しく律している修行者たちが、必要最低限の栄養を摂取するために食べる料理でした。このことから肉や魚介類を使わずに野菜だけで調理することにはこだわらなくてもよいというとらえかたもあります。
寺嫁ごはん by 麻生怜菜(幻冬舎)